こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。
インプラント治療は、失った歯を自然に近い見た目と噛む力で補える先進的な治療法です。
しかし、インプラントを顎の骨に埋め込むという特性上、顎の骨が足りないと診断される方も少なくありません。骨の量や質が不十分な場合にはそのままでは治療が難しいこともありますが、骨を補う手術により、多くのケースでインプラントが可能になっています。
この記事では、顎の骨が足りない方でもインプラントを受けるための対処法や、注意点についてわかりやすく解説します。
インプラントとは
インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着して機能と見た目を回復する治療法です。周囲の歯を削ることなく単独で固定できるため、天然歯に近い噛み心地や審美性が得られます。
入れ歯やブリッジに比べて違和感が少なく、しっかり噛めることから、長期的な口腔の健康維持にもつながります。
ただし、外科的手術が必要であり、顎の骨の状態が治療の可否に大きく関わります。
顎の骨が少なくなる原因
インプラント治療を検討する際に問題となるのが、顎の骨の量や厚みが足りないことです。インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込んで固定する治療のため、骨が十分にないと安定性が保てません。
ここでは、顎の骨が減る主な原因について詳しく解説します。
歯を失った状態を放置している
もっとも多い原因のひとつが、歯を失ったまま長期間放置することです。歯が抜けると、それまで噛む刺激を受けていた顎の骨には力が加わらなくなります。刺激の消失が、骨の吸収を引き起こす大きな要因となります。
顎の骨は、噛むことによって繰り返し刺激されることで代謝を保ち、一定の厚みと高さを維持しています。歯がない状態が続くとその刺激が途絶え、使われなくなった骨は徐々に吸収されて痩せていくのです。
歯周病の進行による骨の破壊
歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)を破壊していく病気です。初期には歯ぐきの腫れや出血といった症状にとどまりますが、進行すると歯の根元を支える骨が徐々に吸収され、最終的には歯が抜けることもあります。
特に、重度の歯周病では、抜歯を避けられないほど骨が失われているケースも少なくありません。また、歯周病が原因で抜歯を行った場合、歯の喪失によってさらに骨吸収が進むという悪循環に陥ることもあります。
加齢による骨密度の低下
年齢を重ねると、全身の骨密度が低下していくのと同様に、顎の骨も自然と痩せていきます。特に、閉経後の女性では、ホルモンバランスの変化によって骨代謝が急激に変化し、骨粗しょう症のリスクが高まる傾向があります。
これにより顎の骨も脆弱になりやすく、インプラント治療の際には事前に骨の質や量を慎重に評価する必要があります。
さらに、高齢になると食事の内容が軟らかくなり、噛む力が弱まる傾向もあります。噛むという日常的な刺激の減少も、骨の退縮を助長する原因となります。
外傷や手術による骨の欠損
事故や強い衝撃によって顎の骨が損傷した場合、骨の一部が失われることがあります。また、腫瘍や感染症の手術により、治療の一環として骨の一部を切除する必要がある場合にも、顎の骨が著しく減少することがあります。
不適切な入れ歯の使用
合っていない入れ歯を長期間使用していると、顎の骨に不自然な力が加わり続けて骨が吸収されることがあります。特に、総入れ歯の場合は、噛む力を広い範囲で分散させる設計になっていないと、特定の部位に過度な圧力がかかって骨を圧迫し、痩せやすくなります。
顎の形は時間とともに変化するため、初めは合っていた入れ歯でも、数年経つと合わなくなることは珍しくありません。
顎の骨が足りない方がインプラント治療を受けるには
顎の骨が足りない場合には、骨造成(こつぞうせい)と呼ばれる治療を行い、骨を補います。ここでは、主な骨造成の方法の特徴を解説していきます。
GBR法(骨再生誘導法)
GBR法(Guided Bone Regeneration)は、不足している部分に人工骨や自家骨(患者さま自身の骨)を移植し、骨の再生を促す方法です。インプラントを埋入するのに十分な骨の幅や高さがない場合に用いられます。
処置では、骨が足りない箇所に補填材を入れ、その上にメンブレンと呼ばれる特殊な膜をかぶせて保護します。この膜により、骨の再生に必要な細胞が集まりやすくなり、同時に歯肉の侵入を防ぐことで、計画的に骨を再生させられます。
GBR法は、インプラント手術と同時に行う場合と、骨がある程度できるまで数ヶ月待ってからインプラントを埋め込む場合に分かれます。骨の再生には3〜6ヶ月ほどかかりますが、インプラント治療の可能性を広げる有効な手段です。
サイナスリフト
サイナスリフトは、上顎の奥歯の骨が大きく減ってしまっているケースで用いられる治療法です。上顎には上顎洞(サイナス)という空洞があり、骨が薄くなるとインプラントを埋め込むスペースを確保できません。
この処置では、上顎洞の底にある膜を慎重に持ち上げ、その空間に人工骨などを填入して骨の厚みを増やします。骨を多く再生しないといけない場合に行われます。
サイナスリフトは、インプラントの埋入と同時に行うこともありますが、多くの場合は骨が再生するまで数ヶ月待った後にインプラントを埋め込む2回法が選択されます。手術の範囲がやや広いため、腫れや痛みが出る可能性があることも事前に理解しておきましょう。
ソケットリフト
ソケットリフトは、サイナスリフトと同じく上顎に行う骨造成法ですが、骨の高さがある程度残っているケース(5mm以上)に選択されます。処置の侵襲も小さく、患者さまへの負担が少ないのが特徴です。
この方法では、インプラントを埋め込むための穴を掘る際に、専用の器具を使って上顎洞の底を押し上げるようにしてスペースを確保し骨補填材を充填します。その後、同時にインプラントを埋入するため、治療期間を短縮できるメリットがあります。
ただし、持ち上げられる骨の量に限界があるため、重度の骨吸収がある場合には不向きです。
顎の骨を増やす治療を受けるときの注意点
ここでは、顎の骨を増やす治療を受ける際に理解しておくべきポイントを解説します。
手術の適応条件を理解しておく
骨造成はすべての患者さまに実施できるわけではありません。糖尿病のコントロールが不十分な方や、喫煙習慣がある方、重度の歯周病が進行している方は、骨の再生がうまくいかない可能性があるため注意が必要です。
また、上顎洞の形状や骨の質など、個人差によって適応される治療法が異なるため、事前にCT撮影などの精密検査で骨の状態を正確に把握することが重要です。
術後の腫れ・痛み・感染リスクに備える
骨造成手術は、骨に人工材料や自家骨を補填する外科的な処置です。術後にはある程度の腫れや痛みが生じることがありますが、これは身体が自然な治癒反応を起こしている証でもあります。
しかし、衛生状態が不十分であったり、自己判断で薬を中断したりすると、感染や骨の吸収が起こるリスクもあります。術後は医師の指示どおりに抗生剤や鎮痛剤を服用し、指示された期間の間はうがいや激しい運動などを控えましょう。
治癒期間には個人差がある
骨が再生するまでには通常3〜6ヶ月の期間が必要ですが、年齢や全身状態、生活習慣によって治癒速度は異なります。たとえば、喫煙者や高齢者は骨の再生が遅れやすく、必要に応じて治療期間が延長されることもあります。
骨が十分にできるまではインプラントの埋入ができないため、最終的な治療完了までに時間がかかる可能性があることも理解しておきましょう。
治療期間中のセルフケアが結果を左右する
骨造成治療の成功には、術後のセルフケアが非常に重要です。特に、インプラント予定部位の周囲の歯や歯ぐきを清潔に保つことが求められます。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシなどを使って、口腔内の衛生を徹底しましょう。
また、治癒期間中の喫煙や過度な飲酒、栄養の偏りは骨の再生に悪影響を与える可能性があるため、生活習慣を見直すことも大切です。必要に応じて、歯科医院で定期的なクリーニングや経過観察を受けるようにしましょう。
治療費や通院回数についても確認しておく
骨造成は保険が適用されない自由診療であることが多く、治療費が高額になります。また、骨造成後は一定期間をあけて再評価し、必要に応じて再度の処置やインプラント手術が行われるため、複数回の通院が必要になるケースも少なくありません。
治療を受ける前に、費用・期間・リスクなどについて十分に説明を受け、納得したうえで進めることが重要です。不明点があれば遠慮せず質問し、自分自身が安心して取り組める環境を整えておきましょう。
顎の骨を不足すために行われる治療にかかる費用
骨造成はすべて自由診療に該当し、処置の種類や難易度によって費用が大きく変動します。
<骨造成の費用相場>
治療法 | 費用の目安 |
---|---|
GBR(骨再生誘導法) | 約5万~15万円/1部位 |
サイナスリフト | 約20万~40万円/片側 |
ソケットリフト | 約5万~15万円/1本 |
骨造成にかかる費用は、あくまで目安であり、使用する材料の種類、処置の範囲、麻酔の方法、施設ごとの方針などによって上下します。また、インプラント治療の一環として同時に行う場合は、費用がパッケージ化されていることもあるため事前に確認しましょう。
さらに、複数箇所にわたって骨造成が必要となるケースでは、費用が加算されていくため、事前に詳細な見積もりを受けましょう。
まとめ
顎の骨が足りない場合でも、近年の医療技術の進歩により、多くの方がインプラント治療を受けられるようになっています。骨造成や専用のインプラントを用いることで、治療の選択肢は広がっています。
しかし、一方で治療期間の延長や費用、術後管理など注意すべき点も少なくありません。大切なのは、骨の状態を正確に把握し、信頼できる歯科医師と十分に相談したうえで、自分に合った方法を選ぶことです。
インプラント治療を検討されている方は、横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、予防歯科や虫歯・歯周病治療、根管治療やインプラント治療などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、Web予約もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。