第3世代の虫歯治療:虫歯の原因と当院の方針について

横浜駅きた西口歯科 院長の清水勇策です。

今回は虫歯の原因について少し掘り下げていけたらと思います。

ゲームやスポーツと同じでルールが変われば戦い方も変わります。

我々にとってのルールとは、研究によって判明した新たな事実です。

 

1950年代から様々な研究により虫歯の発生にMS菌という特定の細菌が関与していると考えられてきました。

虫歯は特定細菌による感染症であるという考えです。

このことから小さいお子様へのご飯を直バシであげないなどの注意をしている方もお見受けします。

ですが、近年細菌の解析方法も進化し、研究方法そのものも様々な手法が生み出されたことで新しいことがわかってきました。

MS菌をもつ人全てが虫歯になるわけではないこと、逆に虫歯で溶けている部分にこのMS菌を見つけることができなかったケースなどが報告されるようになってまいりました。

このことから、虫歯は特定の細菌によって引き起こされる感染症ではなく、様々な細菌が関わり合いながら、環境の変化によって起こる非感染性の疾患と考えられるようになりました。

原因について考え方が変わったということは、ルール変更が起きたのです。

 

多くの方が虫歯と言われてイメージする「黒い穴」を専門用語は「う窩」と表現されます。

そこに至るまでのプロセス、つまり歯が溶けてしまう現象を「う蝕」と言います。

皆さんの歯は骨と同様に溶ける(脱灰)、固まる(再石灰化)を絶えず繰り返しています。

このバランスが崩れると、溶ける一方になります。

つまり崩れたバランスを元の状態に戻すことが治療の入り口になるのです。

状態によってはここで治療が完了します。

以下の写真で実例をお示します。

小児矯正中の患者さんです。

前歯の白濁は従来CO(要観察の初期虫歯)とされている状態でした。

積極的な「削らない治療」を行なった結果、白濁が目立たなくなっているのがわかります。

※白濁には原因が様々あります。全ての白濁がこの方法で改善されるわけではありません。

 

放っておいたら悪化してう窩ができてしまったかもしれませんし、削って詰めても他の部分がまた白くなり始めたかもしれません。

こういった経験から、横浜駅きた西口歯科では虫歯について適切に削るべきか、削らなくて良いかを診断することを心がけ、患者さんと二人三脚でプロセスからきちんと虫歯管理をできたらと考えております。

 

歯医者さんが苦手な方、削るための通院を続けてきた方

虫歯との向き合い方を変えてみませんか。

 

横浜駅きた西口歯科

院長 清水勇策

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