乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響とは?虫歯を予防する方法も

こんにちは。横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」です。

虫歯になった乳歯のイメージ

「子供の乳歯に虫歯ができたけれど、いずれ抜けるから治療しなくても大丈夫なのでは?」とお考えの方も多いかもしれません。実は、乳歯の虫歯は将来生えてくる永久歯にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

この記事では、乳歯の虫歯が永久歯にどのような影響を与えるのかを詳しく解説し、虫歯を防ぐために歯科医院でできることや、ご家庭での予防法についても紹介します。この記事を参考に、将来の歯の健康を守るために今日からできるケアを始めてみてください。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響を紹介する歯科医師

乳歯の虫歯を放置すると、その下に控える永久歯の成長と健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

永久歯の形成に与える影響

乳歯の下には、次に生えてくる永久歯の芽である歯胚(しはい)が存在します。乳歯が重度の虫歯になると、虫歯菌や炎症が歯胚にまで及び、永久歯の形成に支障をきたすことがあります。

その結果、以下のような問題が起こることがあります。

  • 永久歯の表面に白濁や変色が生じる
  • 永久歯の形が不完全になる
  • エナメル質や象牙質が弱くなる

乳歯の虫歯を放置したことで、虫歯になりやすい永久歯になる可能性があるのです。

歯並びや噛み合わせに与える影響

乳歯には、永久歯が正しい位置に生えてくるための道しるベとしての役割があります。乳歯が虫歯によって早く抜けると、そのスペースに隣の歯が傾いてきたり周囲の歯が移動してきたりすることがあります。

その結果、永久歯の生える位置がずれ、将来の歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすことがあります。

発音への影響

前歯の乳歯に大きな虫歯ができたり、早期に失われたりすると、発音に影響が出ることがあります。特にサ行やタ行など、舌と前歯の間から空気を出すことで発音する音は、前歯の隙間から空気が漏れて不明瞭になる傾向があります。

幼少期の正しい発音は、言語能力の発達において非常に重要であり、子供のコミュニケーション能力の発達にも影響を与える可能性も否定できません。

顎の発育への影響

乳歯の虫歯が進行して痛みが生じると、子供は痛みを避けるために片側でしか噛まなくなったり、虫歯のある側の歯を使わなくなったりすることがあります。このような習慣が長く続くと、噛む力が均等に加わらなくなり、顎の骨の成長に偏りが生じる可能性があります。

正しい噛み合わせは、顎の健全な発育に不可欠であり、乳歯の虫歯はその正常な発育を妨げる要因となり得るのです。

食生活や全身の健康への影響

乳歯の虫歯による痛みで食事がうまく取れなくなると、栄養不足や成長の遅れが起こる可能性もあります。また、慢性的な炎症が続くと全身の免疫にも悪影響が及ぶことがあるため、乳歯の虫歯は決して軽視できません。

乳歯が虫歯になる原因

甘いジュースをよく飲む男の子

乳歯の虫歯の発生には、子供の生活習慣や口腔ケアの状況が大きく関わっています。

糖分の多い飲食物の摂取

虫歯菌は、飲食物に含まれる糖分を栄養源としており、その際に酸を作り出します。この酸が歯のエナメル質を溶かすことで虫歯が発生するのです。

特に、ジュースやお菓子など、糖分が多く含まれる飲食物を頻繁に摂取する習慣は、虫歯のリスクを格段に高めます。また、時間を決めずに飲食をするだらだら食べや、ながら飲みもお口の中に糖分が停滞する時間が長くなるため、虫歯になりやすい環境を作り出します。

口腔内の清掃が不十分になりやすい

虫歯の主な原因は、歯の表面に付着したプラークです。プラークは、虫歯菌など口腔内のさまざまな細菌が塊になったもので、歯磨きで物理的に除去しなければ虫歯菌が酸を産生し続けます。

子供は自分で歯を上手に磨くことが難しいため、食べかすやプラークが歯の表面に残ったまま放置されて虫歯のリスクが高まります。これを防ぐためにも、保護者による仕上げ磨きが欠かせません。

歯の質が弱い

乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質が薄く、奥歯には深く複雑な溝があるため、食べかすや細菌が溜まりやすいという特徴があります。さらに、酸に対して脆弱で、虫歯の進行が早いのも乳歯の特性です。

表面上はごく小さな虫歯に見えても、実際には内部で大きく進行しているケースも多いです。

乳歯が虫歯になるのを防ぐために歯科医院で行うこと

歯科医院で定期検診を受ける様子

歯科医院では、乳歯の虫歯予防に役立つさまざまなケアを受けることができます。

フッ素塗布

フッ素は、歯の表面のエナメル質を強化し、虫歯菌の酸に対する抵抗力を高める効果があります。また、初期の虫歯であれば、フッ素の働きによって再石灰化が促進され、虫歯の進行を抑制することも期待できます。

歯科医院で行うフッ素塗布は、高濃度のフッ素を歯の表面に直接塗るため、市販のフッ素入り歯磨き粉よりも高い効果が期待できます。乳歯が生え始めた頃から定期的にフッ素塗布を行うことで、虫歯になりにくい強い歯を育てられるでしょう。

フッ素塗布の頻度は、一般的には3~6ヶ月に1回程度が推奨されます。

シーラント

奥歯の噛み合わせの面には複雑な溝があるため、食べかすやプラークが溜まりやすく、歯ブラシが届きにくいことから、虫歯のリスクが高い部位です。シーラントは、この溝を歯科用の樹脂で埋めて、物理的に食べかすやプラークが入り込むのを防ぐ処置です。

シーラント材にはフッ素が含まれているものもあり、フッ素による歯質強化も同時に期待できます。特に、生えたばかりの奥歯は溝が深く虫歯になりやすいため、乳歯の奥歯だけでなく、永久歯の奥歯にもシーラントは非常に効果的な予防策となります。

歯のクリーニング

歯科医院で行う専門的な歯のクリーニングでは、普段の歯磨きでは落としきれないプラークや着色汚れなどを専門の器具を使って徹底的に除去することができます。定期的にクリーニングを受けることで、お子さま自身も歯磨きへの意識が高まるでしょう。

歯磨き指導と食生活指導

歯科医院では、お子さまの年齢や歯の状態に合わせた正しい歯磨きの方法を具体的に指導してくれます。また、保護者の方には、仕上げ磨きのポイントや、デンタルフロスや歯間ブラシの正しい使い方なども指導します。

さらに、虫歯予防に効果的な食生活についてもアドバイスを受けることができます。

定期検診による早期発見・早期治療

定期的なチェックを受けることで、乳歯の健康状態を維持し、永久歯への影響も最小限に抑えられます。もし虫歯が見つかった場合でも、歯科医院では早期に適切な治療を行うことができます。

乳歯の虫歯は進行が早いですが、早期に治療を行うことで、虫歯の進行を食い止め痛みや不快感を軽減し、永久歯への悪影響を防げます。軽度の虫歯であれば、フッ素塗布や小さな詰め物で治療できることがほとんどです。

乳歯が虫歯になるのを防ぐために自宅でできること

母親に歯磨きをしてもらう女の子

ご家庭での毎日のケアも虫歯予防には欠かせません。お子さまの年齢や習慣に合わせて、できることから始めていきましょう。

丁寧な仕上げ磨きを習慣にする

小学校低学年頃までは、保護者による仕上げ磨きが必要です。特に、奥歯の溝や歯と歯の間、歯と歯茎の境目などは磨き残しやすいため、しっかり磨くように心がけましょう。毎日同じ時間に行うことで、歯磨きを習慣化しやすくなります。

食生活を見直す

おやつは時間を決めて、だらだら食べを避けることが虫歯予防には重要です。これにより、お口の中が酸性に傾く時間を短縮できます。

また、チョコレートやキャラメルなど、歯にくっつきやすいものは控え、水やお茶など糖分を含まない飲み物を積極的に取り入れましょう。おやつの代替として、虫歯菌の活動を抑える働きがあるキシリトールのガムやタブレットなどを活用するのも良いでしょう。

健康な歯を作るためには、カルシウムやリンなどのミネラル、ビタミンDなどの栄養素が不可欠です。バランスの取れた食事を心がけ、歯の成長をサポートする栄養をしっかり摂るようにしましょう。

フッ素入り歯磨き粉を活用する

毎日の歯磨きで、フッ素入り歯磨き粉を適切に使用することで継続的にフッ素の効果を得られます。歯磨き後は軽くうがいをする程度に留めることで、フッ素が歯に留まりやすくなります。

ただし、商品によってフッ素濃度が異なるため、年齢に応じた物を使用しましょう。

まとめ

虫歯の治療と予防で健康に過ごす親子

乳歯の虫歯はそのうち抜けるからと軽く考えられることが多いですが、実際には将来生えてくる永久歯の健康や歯並び、さらには子供の成長全体にも大きな影響を与えます。虫歯を防ぐためには、歯科医院での定期的なケアと、ご家庭でのケアが欠かせません。

この記事を参考に、お子さまの大切な歯を守るための一歩を踏み出してみてください。

乳歯の虫歯予防を検討されている方は、横浜市神奈川区「横浜駅」きた西口より徒歩5分にある歯医者「横浜駅きた西口歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、予防歯科や虫歯・歯周病治療、根管治療やインプラント治療などさまざまな診療を行っています。ホームページはこちらWeb予約もお受けしておりますので、ぜひご覧ください。

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